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特集「火・エネルギー」悔恨記
仏教に四大という言葉があるそうです。この宇宙は根源的に地・水・火・風によって成り立っていると。のちに空を加えて五大とも言うそうですが、
至って俗な私たち担当者は秋冬号の特集に取り上げるなら暖かそうな「火」に決まってるでしょう、と即決しました。
ヒトが他の生命に抜きん出て、その後も「進歩」し続けたのは「火」のおかげです。
ついに地球もろとも崖っぷちに立つハメになったのも「火」です。
「火」は実に多様多彩な顔を持っています。科学的な性質の利用も、強力な爆弾と夜空を彩
る花火とでは随分違います。 こうまでならなければ、「火」は私たちに生きている喜びを万華鏡のように見せてくれたでしょう。
企画にあたって、あらためて「火」とは何かを考えました。物理的には熱であり光であり、エネルギーでもある、と。目に見える形としては火炎、太陽。
人が「火」に抱く観念的なものには温める、照らす、清める、昂ぶる、創造する、破壊する、など。
ざっとマトリックスを描いて、片っ端からマス目の中を考えてみます。インターネットで検索してみると意外な発見があったりしますが、このやり方はあくまで盲点つぶしです。
なんといっても「火」という言葉から真っ先に頭に浮かぶことは太陽のエネルギーです。太陽光発電はもちろん、風力も波力も水力も、そして太陽のエネルギーを蓄積して育った樹木や有機物を利用するバイオマスもその恵みです。
このテーマのポイントを探るため、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や新エネルギー財団、民間の活動家を訪ね、どんな形式でやるか、講師としてどんな専門分野のどんな人がいるかをたぐりながら、具体的に中身を作っていきます。
候補者を絞るのにインターネットや書籍雑誌にあたり、頭の隅々をかき回します。やっとのことで連絡先が分かって、電話・Eメール・手紙ということになるのですが、
インターネットで探したアドレスへの依頼は便利な反面、先方も断りやすいのだ、と発見。
目星をつけた講師候補者に連絡をつけ、話を伺いながら講座の組み立てをしていきます。
参考図書やサイトで付焼き刃でも仕込むことを惜しんではいけません。知ったかぶりはだめですが「なにも分かってなくて、頼んできたのか」というのもどんなものでしょう。
ほぼ形ができたところで開講日の調整など、かなりな量の事務的な作業が追っかけて来ます。たいがい、いくつかやり残しがあるまま無情な締め切り。講座の企画はセールスであり、肉体労働です。
そして、講座を作るプロセスの各段階で、私たち担当者が大切なこととして心がけているキーワードが3つあります。「風カルチャークラブのコンセプト」、「オリジナリティー」、そして「お客様の満足」です。これらがうまく講座におさまって、お客様に「風カルチャークラブらしい」と評価されることが目標です。
特集の企画は、火の芸術・陶芸、私たちのどこかに潜む原始を呼び覚ます火起こし、ヒトはどう賢くあらねばならないかを問う太陽光やバイオマス(炭・薪・メタンガス)など自然エネルギーの利用、に止まりました。
季節が合わない、講師が見つからない、講座という形式にそぐわない、しかし、探求心を掻きたてられる内容が、ザァーザァーと担当者達の手からこぼれ落ちていきました。
万華鏡を一つひとつ、講座でお見せすることができれば本当によかったのに、と企画が締め切られた今になって巨象に挑んだアリの心境で、浅はかさと非力に泣いているのです。
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