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紅葉と秘湯を訪ねる三日間の山旅を終え、「旅はどうでした?」と聞かれたら、こう答えます。
「日本に生まれて良かったなぁ〜と心底思える旅でした」と。
山を歩くことが好きな人にとって、「秋」という季節は体を動かしたくなる季節。秋晴れの好天が続き、まず北の国から届く紅葉の知らせを聞くと、赤や黄色やオレンジ色に輝く森に出会いたくなります。色とりどりの自然風景に、さらに山の奥地の秘湯がついてくる。これは温泉好きにはたまりません。まさに、日本の魅力を存分に堪能できる山旅。ほどよく疲れた山歩きの後に、体に染み渡る温泉の温かさと効能も素晴らしい。そんな東北南八甲田の色付き始めた秋の森と、人里離れた山奥の温泉に、このたびどっぷり浸かってまいりました!
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「今年の紅葉は例年より一週間から十日遅いなぁ」と、青森弁まじりの地元のタクシーの運転手さんに伺いました。しかも一週間前は嵐だったとのこと。少しばかり心配しながら八戸から十和田湖を経由し、松森山を目指します。仙人橋で降りると、人の気配はほとんど無く、とても静か。講師の奥田さんのご案内のもと、比較的ゆっくりとした歩行ペースと穏やかな語り口で、標識も看板もろくにない、一見獣道(?)のような道を登り始めました。
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するととたんに、森の落ち葉の香りがぶわっと襲ってきます。そして足元の感触がとてもやわらかい。落ち葉に隠され、道もあるのやら、無いのやら、まるで整備もされていないような道を、ゆっくりと進んでいきます。
樹種や位置によって完全に紅葉しているものもあり、一部黄色くなっているものもあり、さまざま。ブナやカツラやホウノキなどが高々と迎えてくれました。そんな木々たちと共に我々を感動させてくれたのが「赤沼」と「鏡沼」「蔦沼」などの水面景色。
青空と紅葉の森が水面に写る様はまさに「絶景」。静かな時間と空間がそこにはありました。
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秋色に包まれる山をひっそりと歩き、夕暮れ時が近くなってくるとグンと気温が下がってきます。そんな時には温泉が一段と待ち遠しくなります。
初日のお宿は「谷地温泉」。日本三秘湯のひとつです。ここで移動の疲れと緊張をほぐし、川魚と山菜料理に舌鼓、硫黄の匂いに包まれながら、翌日の山歩きに備えました。
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二日目も良いお天気。気持ちよく歩き出します。十和田湖とのどかな里山風景を望み、
十和田山へと登ります。 初日とは打って変わって、秋の山歩き、ブナの存在が色濃い森といった印象。標高は低い場所から登りだすため、徐々に高度を上げていくと紅葉の割合が高くなってきます。しかしここは紅葉していなくても、森がきれい。とても生き生きとしたブナなど大木がいたるところで見受けられました。そんな「新緑」を彷彿させるほどの黄緑色と、赤色、黄色のコラボレーションも、豊かな森ならではの楽しみ。山頂から十和田湖と北八甲田を望み、西日を浴びてきらきらと輝くブナの森を堪能しました。こういった隠れた名所を熟知している講師の奥田さんは、やはり東北通
だなぁと一同、改めて感心するのでした。
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この日のお宿は「ランプの宿 青荷温泉」。
奥地にあることもあり、着いた頃にはすでに真っ暗。ランプの明かりがぼんやりと照らしてくれます。
「結構疲れたけど、今日の森もまた素敵だったね」と旅の話を語らい、湯煙に包まれながら山の疲れを温泉でとります。じんわりと温泉の温かさが体に残り、適度な疲労と至福感を感じつつ、
眠りにつきました。
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最終日、まずは雷山(いかづちやま)にちょっとお散歩へ。この時だけ雲があり、360度の絶景とはいきませんでしたが、それでも良い景色を見ることが出来ました。
そして最後はのんびりと奥入瀬渓流を歩きます。紅葉にはまだ早いものの、やはりここは苔とマイナスイオンの宝庫。歩いているだけでも癒される景色がゆったりと流れていきます。そんなゆるやかな流れをみつめながら、旅を振り返り、紅葉と東北の山の豊かさ、温泉の素晴らしさを改めて感じることが出来た、いで湯の旅でした。
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