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[実用・健康]ワークショップ「日本人の身体技法」
日本人の姿勢には、当然、伝統的な日本の生活様式の影があり、坐からイスに、着物から洋服への変化は、日本人の身体に少し負荷をかけているようにも思えます。イスの生活からくる腰痛、女性なら外反母趾、洋装の佇まいもなかなか欧米人には追いつけません。 矢田部さんはこれらを、日本人にとって「自然な身体性」と「モノの在り様」の両面から追いかけています。 「立つ」・「座る」・「歩く」といった日常動作を捉え直し、局面に応じて身体を使い分けられる身体感覚の繊細さと、身体感覚に裏付けられたモノを見る目が、遅ればせながら必要なのではないかと提起。 日本人にとって自然な身体のあり方、私個人にとって自然な身体とは。現代に活きる理論と実践で考えます。
 
 
●添乗記 [2004-12-05開講]  報告者●土橋

 冒頭で、一言ずつご参加の動機を伺ったところ、ユニークなお顔ぶれであることが分かりました。カイロプラクティックご専門の方、鍼灸ご専門の方、スポーツクラブの指導者、健康維持が目的の方、デスクワークの女性、日舞をなさっていた方、身体障害者の養護学校勤務の方など。講師の矢田部英正氏も、それぞれのご専門の方々に敬意をはらいつつ、気合も入ってスタートしました。

実は今、こうして椅子座でパソコンに向かって文章を書きながら、一工夫していることがあります。腰骨と背骨を繋ぐ仙骨(おへその後ろ辺り)と椅子の背面 の間に、二つ折りの財布(約7センチ四方・厚さ3センチ程)を挟んでいます。感じというと、ゆるんだ楽さではありません。しかし、背中が椅子の背面 から少し離れるだけで、肋骨が前後左右に自由に動かせるので、意外と背中に軽さがあります。背面 が長い椅子は、体を固定してしまいこの軽さを損なう。この姿勢がほぼ椅子坐の基本であることが分かりました。このようにしながら、座る、立ち上がる、歩くなどの基本姿勢の「身体感覚」を掴むことが、今回の目的です。

矢田部氏が信頼できるのは、「○○を即、治します」といった眉ツバの論理や手法を一切とらないこと。首や肩の張りを取る動かし方を指導する場面 があり、ご参加者のお一人をモデルとして可動域が確かに広がることを目の前で見せてくれましたが、「これは大道芸でしてこれを見せることが目的ではありません。こうした動きの時の体の奥の感覚を確実に捕らえてもらうことこそ重要です。」
このようにして、足の指一本一本から仙骨の傾け方の具合、頭の位置などの身体感覚を叩き込んでいく。それを日々の動作の中で繰り返し捉えながら、「骨で」姿勢を維持する技を育てていく感じです。少しまじめにやれば数ヶ月で身体感覚は確実に鋭くなる。骨で姿勢を維持すると、部分に不必要な負荷がかからないので、逆に楽になってくる。誠実に内観を続けることが極意かもしれません。「コツ(骨)をつかむ」訳です。
ご自身で、こうした身体感覚を掴ませる椅子を作ってしまった。この椅子に座ると、座るだけで基本姿勢が取れる。こうした良質な商品は確実に人の心を掴んでいくと思います。学校や会社でこういう椅子を使うくらいの人間への眼差しが欲しいものです。

帰り際に少しお話をしていましたら、既出の2冊(「たたずまいの美学」「椅子と日本人のからだ」)が着目されたのでしょう、現在、新たに3本の執筆依頼を受けているそうです。内容を伺うに、決して安易な路線に走らないという流儀は崩さず。必ずや、興味深いものを生み出してくれるはず。そちらも期待しつつ。

矢田部英正氏のホームページはこちらです。
http://www.corpus.jp/about.html

それから。春先にはまた、面白い趣向の企画を予定しています。弊社までお問い合わせ下さい 。

 

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