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前回の「樹の染め色を楽しむ」に引き続いての戸田先生の講座、今回はシルクの大判のショールを春の色を染めてみました。
原料は2種類ですが、地の生地の白とタンポポとヨモギの色のグラデーション、そこに鉄を使った媒染により、更に濃淡が出来、優しくて微妙な色の組み合わせが完成。
タンポポの明るい黄色とヨモギのやさしい黄みがかった緑はまさに春の色。作業場は、自然豊かな丹沢山系の東端にある七沢森の家。
敷地内には150種を越すハーブが植えられ、爽やかな香りの中で作業... のはずが、この日はあいにくの雨。
灰色がかった山あいの中に、うっすらと桃色に浮かびあがるヤマザクラやコブシの花を遠くに望みながら、雨が強くなるまでは外で作業しました。
草木染めの担当としての最初の任務は染めの染料であるタンポポを集めること。
お安い御用と家の近所や、通勤の道々探してみるも、やっとこさちょぼちょぼ生えてるのを摘めたくらいでなかなか集まらない。
しかも、帰宅途中の暗がりでの採取を試みたときなどは、昼間は良く見えていたのに闇と周囲の草の緑とで、ほとんどわからない。
タンポポの花が夜は閉じることなんて、すっかり忘れてた.... 「時期もちょっと早かったかしら」講師の戸田先生はそうおっしゃっておられたが、
近所の土手に行けばたくさんあったような気がしてたのに、実際にはそんなことはなく実は身近なところを全然見ていなかった自分を反省。
参加者の皆さんにもご協力頂いて集めたタンポポとヨモギを煮出し、染料液を作成。
そこに、染めない部分にビニール袋をかぶせてゴムできつく閉じた、生地を浸し、よく染みるようにゆらすこと10分。
仕事中なら10分なんてあっという間。が、ここでは時間がゆっくり過ぎていきます。皆さんも、なんとなく時間が長く感じられる様子。
そのうちゆらす手よりも口のほうが多く動くなんてことも... でも、これが楽しかったりもします。その後、媒染を10分。
で、また染料液に10分。媒染することにより1回目の染色から更に色が深くなり、定着します。
水洗いの後、同様の作業を今度は原料を変えて(午前はタンポポ、午後にヨモギ)行います。
煮出した後の、染料液はどちらも濃いウグイス色ですが、媒染後に、染料液に浸してみると、きれいな淡い色となって染まります。
こうして染めた淡いグラデーションに最後に鉄を使った媒染で、少しグレーがかった部分を作ります。
完成品をイメージしながら、染めないところはビニール袋でくるみ、最後の行程へ。
水洗いの後に、広げたショールは、最初は思ったより濃いなぁ... なんて感じですが乾いてくると、色も落ち着き、「ほぉーなかなかいいではないか」なんて具合になってきます。
最後に完成品を皆で披露しあい、なんとなくやってみたのが上手くいった方、狙い通りにいった方、そうでない方などなど、作品を前に解説して頂くことにより作業中には見えなかったそれぞれの思いや、個性がよく見えます。
それにしても、最後まで笑いの絶えない作業でした。そういえば、この日は雨だったよな... と思ってしまったほど。
雨のために、屋根のある場所での不便な作業もあったにも関わらず、皆さんの表情は明るく、そして楽しそうにしていたのにはこちらも救われました。
自然の素材を使って、自然の中で作業するってこんなに楽しいんだなぁ。
戸田先生がこんなエピソードを話してくれました。以前の講座で先生が参加された方に、その時の写真をお送りしたところ返事が届き、そこには「あんなに笑顔の自分は初めて見た」と,とても楽しかった事が綴られていたとのこと。
豊かな自然は心を和ませ、草木染めは笑顔まで染め上げてくれたようです。
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