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[特集・土]自然農法の畑は楽しい
夏、美斉津さんの畑のキャベツはアオムシがせっせと葉を食べていた。美斉津さんは 気にしない。畝間の草をむしって野菜の根元におく。アオムシは収穫する時には捨て る硬い葉を食べ、間もなくモンシロチョウになって翔んでいく。レタス、枝豆、トマ ト、トウモロコシ、ネギと、まるで家庭菜園のようにたくさんの野菜たちが草に負け ずに育っていた。
草は肥料として還元する。耕さず農薬を使わず除草もしない。肥料は鶏糞堆肥を少し 足す。
18年前に在来農法、有機農法を経てたどり着いた。農業の大量生産のための農薬や肥 料の大量消費が納得できなかった。人はちょっと介添えするだけ。野菜の生命力と土 の力、虫や草が畑を豊かにしてくれる。
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タニシの殻がころがる不耕起の田
 
●添乗記 [2003-10-18開講]  報告者●石橋

10月18日は快晴に恵まれて、畑はくっきりと浮かぶ浅間山を背景に静かな秋の陽 を浴びていました。夏、美斉津さんの畑のキャベツの葉を食べていたアオムシの姿は なく、採り残されて腐った数株のキャベツと草が萎れて枯れていました。畑は力を 尽くして競い合った戦場のように安らいで見えます。
自然農法の畑がテーマの講座なのに、畑の主役たちはいません。しかし、18人の参 加者の皆さんは、朴訥な農家の顔をした美斉津さんの言葉の中に、農業技術を超えた 食の在り方、人の生き方を感じ取っていたのでしょう。熱心にメモを取る人、わづか に彩りを添えるシシトウやホウレンソウ、ネギにデジカメを向ける人がいます。

「自然農法」のさきがけとなる四国の福岡正信さんも、農法と思想が一体であること を強調しています。美斉津さんの「自然農法」は美斉津さんの思想とともに畑に表現 されていて、福岡さんの系統を汲むものでもなく、ひとつの「人格」として存在して いました。
「他所から収奪してきたもので効率や欲を満足させるやり方ではなく、太陽と土と水、 生命としての野菜の力と、草や虫の力を借りて授かったものに満足する生き方が大切 なのではないでしょうか」という言葉を噛みしめたいと思いました。

 

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