|
美しい白銀の景色が広がる冬のイエローストーン国立公園。幻想的な景色とは裏腹に積雪により活動地域が限られ、動物達にとっては厳しい季節。
捕食する側とされる側の静かで激しい生存競争が繰り広げられている。
人間も本来なら活動が限られるのだが、スノーシュー(西洋かんじき)やクロスカントリーを駆使することで、野生動物なみの活動が可能。
誰の踏み跡もないまっさらな雪原をクロスカントリーで往くと、いずこともなく現れ、消える動物たちの足跡。
何の足跡かは、もちろん皆の気になるところ。すかさずスティーブさんが問い掛ける、さて前脚の跡はどれでしょう?
四つ足の動物の場合、殆どが前脚と後ろ脚の跡は違う。重なり具合で歩いているのか走っているのか、じつはわかるのだ。
スティーブさんはすぐに答えはださない。ヒントをもらいながら少しずつ正解に近づくうちに、知らず知らず動物の生態がインプットされてくる。
こうなると、雪原に糞ひとつ見つけただけでも楽しくなってくる。草食なのか、肉食なのか、はたまた雑食?
この動物の大きさは?いつ、ここを通った?それらの答えが雪原上にすべて残されてます。単なる足跡や糞もスティーブさんにしてみれば、動物たちの活動が描かれたキャンパスのようなもの。
絵でも見ているかのように、ここまで歩いてきて、こっちを向き、そして駆け出した、なんてストーリーをあざやかに解説してくれます。
広大なイエローストーン国立公園を舞台に、スティーブさんの解説はまだまだ続く。
煮えたぎる熱水に生きるバクテリアから、高く吹き上げる間欠泉の話など。夜もホテルのロビーを会場にビデオで野生動物との遭遇についてや、用意しておいたエルクの
骨からは生きていたころの持病を推理したり、エルクの鳴声をまねた笛を吹いたりと、スティーブさんの宝箱にはいろんなものが詰まっている。
スティーブさんのジョークを交えた専門的な解説は、ただ見学するだけではけっして気付くことのない、感じることのない世界をていねいに体験させてくれます。
旅程前半の、野生動物たちの食物連鎖、後半の間欠泉地域での極小なバクテリアの世界から大迫力の熱水の噴出まで。
イエローストーンの間欠泉、森、平原、動物、それらすべては、地球とそこに生きるモノたちとの自然循環の縮図であり、その真っ只中に我々を立たせてくれた。
また、1988年に起きた山火事の跡を雪上車で移動しながら目の当たりにすることで、森にとって火事というのは決して不幸なものではなく、
森の世代交代のため、自然循環のサイクルとして必要不可欠なものであるということが、
焼け焦れた木々の足下の若い木々を見て実感することもできました。
今回、熊は冬眠中でご登場願えませんでした。春にはもそもそ起きだすのでしょう..。
|